クロークやウェディング、バックヤード等、日々沢山の人が利用するホテルや旅館では、ハンガーラックを使用するシーンは少なくありません。そこで良く使われるのがハンガーラックですが、中でもおすすめなのが業務用のハンガーラックです。プロ仕様なので、沢山のジャケットやコートを掛けても安心の頑丈さで、タフな使用にも耐えてくれる頼もしさがあります。
今回は、ホテル・旅館でのハンガーラック活用法と、業務用ハンガーラックの特徴などをご紹介します。
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業務用ハンガーラックのメリット
ハンガーラックには沢山の商品がありますが、ホテルでの使用には業務用のものが適しています。ここでは、その理由や業務上ならではのメリットを解説します。
十分な耐荷重があり安全性が高い
業務用ハンガーラックの最大のメリットは、その耐荷重です。耐荷重とはハンガーラックが支えられる重さをいいます。この数字が、使用を予定している服の重さより小さかったり、ギリギリだったりすると安定感を損ないます。何着もの重たいコートやジャケットを支えきれず、ポールがたわむ原因に。そのまま使用を続けると、ハンガーラックが転倒することもあり安全ではありません。
これが業務用ラックならば、沢山の服を掛けることを想定して作られているため、耐荷重も100キロ近くあって安心です(ポールの長さやダブルかシングルかなどで異なります)。
ハンガーラック自体の形は家庭用と変わらなくても、丈夫さや安定感はプロの使用に十分耐えられる仕様になっています。
収納力も高いのでたくさん掛けられる
業務用ラックは耐荷重が重く設定してあるため、シンプルなシングルタイプでも大容量の服が掛けられます。しかしそれだけでなく、平行にポールが2本並んだダブル(画像商品)、上下2段タイプなどがあり、それらはシングルよりも更に沢山の衣服を掛けることができます。限られたスペースでの使用に重宝します。
シンプルな作りなのでさまざまなシーンで活躍する
業務用のラックには余分な装飾がないことが多く、どんなシーンや場所にでも馴染みやすいことが特徴です。元々スチールのラックはシンプルなルックスが長所ですが、業務用でもそこが存分に生かされます。無機質で普遍的な質感とデザインにチープさはなく、バックヤードで使う時はもちろん、表に出さなければならない時にも生活感を感じさせません。
キャスター付きなら移動も簡単
ホテルでのハンガーラック使用を考える時、据え置きよりも、移動を前提に使用する場合が多いのではと推測します。例えば複数台を使用するクロークのバックヤードなどでは、入れ替えができる方が重宝します。据え置きで使いたい場合も、キャスターにロックを掛けておけば問題ないため、キャスター付きが多く用意されている業務用のハンガーラックはおすすめです。
ホテルなどで使用する業務用ハンガーラックの選び方
業務用ハンガーとひと言で言っても、種類は様々です。業務に適したハンガーラックには、どんな点に注目して選べば良いのでしょうか。
耐荷重、幅、高さ調節の有無、一体式・組み立て式、パイプの種類をピックアップして解説します。
耐荷重
業務用ラックの耐荷重は、タイプによっても異なりますが、大体90キロ以上のものが多くなります。コート一着が3キロだとしても、一台のハンガーラックに90キロもの衣類を掛けることはそう多くなさそうです。しかし、ハンガーラックはしっかりしているのに越したことはありません。
耐荷重の少ないものを使用して比べてみるとわかりますが、沢山の衣類をどんどん掛けてもびくともしない頑丈さは、とても使い勝手がよいものです。業務で使用するなら尚更、什器の倒壊などを気にして使うことにメリットはありません。出来るだけ余裕をもった耐荷重のラックがおすすめです。
幅
ラックの幅は狭いものや広いものなど様々です。スペースや掛けられる衣類の容量で選ぶことが大半ですが、ひとつ注意点があります。移動させて使用する場合です。幅広なラックに大量の重たいコートなどを掛けて移動すると、耐荷重をクリアしていても、とても重く移動させにくい場合があります。床がカーペットの場合、スムーズにいかずにバランスを崩してしまうことも想定されます。距離のある移動を前提として選ぶ場合は、広すぎる幅は避けた方が安心です。
高さ調節の有無
ハンガーラックには高さが固定のタイプと、アジャスターが付いているタイプがあります。掛ける衣類の長さが決まっているなら固定でも…と思いますが、アジャスター付きの方が重宝します。それは、後に色々な衣類を掛けることになるかもしれない…という理由だけでなく、床の凹凸や微妙な傾斜にも対応できるからです。ハンガーラックを平行に保つことは、衣類の片寄りを防ぐことでもあり、それは見た目にも使い勝手に繋がります。
一体式・組み立て式
ハンガーラックには組み立て不要の一体式と、組み立て式があります。
一体式は、すぐ使いたい時や組み立てに人員を避けない時などに適しています。ただし、解体できないため倉庫で場所を取ります。また大きいので送料が高くなります。組み立て式はその逆で、組み立てに人員が必要ですが、解体できるため場所を取りません。コンパクトになるので送料も一体式より低めです。予備を持ちたい場合にも向いています。
組み立ては、台数があればそれなりに手間のかかる作業ですが、1台に掛かる作業時間はそれほど大変なものではありません。一体式と組み立て式を、状況によって使い分けても良いでしょう。
パイプの種類
パイプ(ハンガーを掛ける部分)には、丸タイプと角パイプがあります。
丸タイプは、ハンガーとの接触が一点で済むため、ハンガーをスライドさせる時にスムーズです。クロークなどでお客様のコートを探す時に使い勝手が良いでしょう。また、角の塗装が剥げるということも少なく済みます。
角タイプは、接触が二点になるためハンガーのズレを防ぐのに役立ちます。掛けた時のまま美しく保てるのがメリットで、洋服店などでは重宝します。
ホテルでのハンガーラック活用シーン
ホテルや旅館などの宿泊施設内で、ハンガーラックが活躍するシーンをご紹介します。ホテルの伝統やルールに添ってハンガーラックを選んで頂くことが前提ですが、その他に選び方のポイントとなるような点をまとめました。
クローク
クロークでお客様の上着を預かる際に必ず必要なハンガーラック。バックヤードを移動させるならキャスター付きを、ハンガーをスライドさせて上着を探すならパイプは丸タイプがおすすめです。お客様の衣類同士がくっつかないことが優先されるなら、パイプは角タイプが良い場合もありますので、コンセプトによって選び分けて頂けば良いでしょう。クロークの外にハンガーラックを持ち出すことは少ないため、幅は広めが便利です。
挙式場のコート掛け
結婚式の参列者のコートは、ホテルのクロークで預かる場合と、会場前で受付時に預かって、バックヤードに移動させる場合などがあります。移動を前提とする場合は、幅は広すぎず、キャスター付きが便利です。高さを調整できるアダプターは付いている方がおすすめです。
衣装室のドレス掛け
衣装室に置かれるドレス掛けですが、これは2タイプあると重宝します。ひとつめは、ドレスを常に掛けて置くためのラック。これは背を高くして固定しておくので、幅も高さも広くて大きめのものが良いでしょう。もうひとつ、幅狭でキャスター付きのハンガーラックを用意しておくと、お客様が選んだドレスを一時的に掛けておくのに大変便利です。そのまま試着室まで運べることと、着用前にドレスの雰囲気をよく確認できるのでおすすめです。
従業員の制服掛け
従業員のロッカーがない場合などに、バックルームにもハンガーラックがあると喜ばれます。限られたスペースに置くため、掃除などで移動させることが前提になり、キャスター付きが便利です。沢山掛けられるダブルタイプがおすすめです。ストールなどを掛けやすいように、フックも幾つか用意しておくと親切かもしれません。夏などの不要な時期に解体できるように、組み立て式だと柔軟に使用できます。
おわりに
ホテルや旅館などの宿泊施設では、日々大量の衣類がやり取りされます。その全てのシーンにおいて、ハンガーラックのような什器が必要です。想像以上の台数が必要になりますが、使用シーンに合わせて、組み立て式や、キャスター付き等々、柔軟に選ぶことが大切です。耐荷重と作りだけは、しっかりしたものをお選びになることをおすすめします。